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プロゴルファー・成田美寿々が
YouTubeチャンネルを開設した理由。
posted2020/08/12 11:00
text by
林田順子Junko Hayashida
photograph by
Takuya Sugiyama
6月25日、約4カ月遅れでスタートした国内女子ゴルフツアー。
だが、その後の大会も続々と中止になり、8月14日からのNEC軽井沢72ゴルフトーナメントでようやく第2戦目を迎えることになる。
このコロナ禍での空白期間に成田美寿々が始めたのが、自身のYouTubeチャンネル。トレーニング風景や食生活などを公開し、現在チャンネル登録者数は2万人に届く勢いだ。
YouTubeを通し、彼女は何を伝えようとしているのか。その思いを聞いた。
大会中止の知らせに初めのうちは焦ったりもしたのですが、3、4試合で慣れました。今は心に波風を立てず、自然と受け入れられるようになっています。
ツアーは始まりましたけど、何カ月もギャラリーの前でプレーしていないですし、「ナイスバーディ!」と声をかけられることもない。(ホールアウト後にギャラリーに向けて片手を上げる仕草をして)これも「このポーズも練習しているんだけどな、手をあげなくていいんだな」って寂しいですよ。やっぱり私たちは見られてなんぼだなと実感しました。
以前からプロゴルファーとして、いつもどこかで見られているという感覚は持っていなきゃいけないと思っていたんです。他の選手のプレーを待っている時にどうやって立ったらかっこいいかとか、スコアが悪くても、調子のいい時と同じように胸を張って、自信を持って歩いたりとか、自分の見せ方は結構気にしています。
例えば、(上田)桃子さんが「上田桃子!」ってコールされた時の登場の仕方とか、とてもかっこいいんですよ。でもあれを私がやったら「生意気!」ってなっちゃうので、私はやりません。あれは桃子さんのもの(笑)。じゃあ、自分にとってどれぐらいのポーズがかっこいいかなとか考えているんです。
あっけらかんと楽しく行こうぜって。
あとは表情。勝負の時や、ミスをした時も、「険しい顔」と表現されるような表情はしたくない。ただでさえ真顔でいるとすごく怖いと言われるんですよ。後輩が話しかけやすい雰囲気を出しているつもりなんですけど、それでも怖いって言われることも多いので(苦笑)。
だから、いつも笑顔でいるようにしているし、実際に本当になんでも楽しめちゃうのが私の強みだと思っています。
優勝争いだって全力で楽しんじゃっています。もちろん負けたら悔しいのですが、最高に気持ちの良い場所にいられることが嬉しい。だから、勝っても負けても、すごい楽しいんです。
それを再確認したのが、2016年です。全然勝てなくて、パッティングコーチをつけてみたり、あれこれと試行錯誤したり、人との関係もうまくいかなかったりで、すごく苦しかった。
もともと深く考えないタイプだったのに、考え込んでしまっていたんです。でも、結局は「こういう年もあるよね」って思うしかなくて。あまり深く考えず、あっけらかんと楽しく行こうぜって、自分のスタイルを思い出しました。