フランク・デブールの名言 

2010年南アフリカW杯で日本と同じグループE組に入ったオランダ代表は、3戦3勝で首位通過を果たした。しかし、決してチーム状態は芳しくなく、10番を背負ったウェズレイ・スナイデルは「もっと多くのゴールを奪えたはず」と日本戦を振り返っていた。そんなチームを勇気づけたのは、コーチのフランク・デブールの言葉だったとスナイデルは語る。アヤックスの大先輩でもあり、幼い頃に憧れた“オランイェ”のキャプテンに力をもらったスナイデルは、決勝トーナメントで抜群の存在感を放った。準々決勝では、先輩たちが苦杯を嘗めてきた宿敵ブラジルに、自らの逆転ゴールで勝利へ導き、準決勝ウルグアイ戦でも貴重な勝ち越しゴールを決めた。決勝でスペインを前に力尽きたが、ロッベンやファンペルシーらと形成した攻撃サッカーは多くのファンを魅了した。デブールの見立てはやはり正しかったのだ。

Number2010/7/14臨時増刊号(2010/07/07)