話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
1年で戦力外の元プロ選手が開発、
サッカー選手専門マッチングサイト。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byPLAYMAKER
posted2020/06/19 19:30
「PLAYMAKER」の生みの親である三橋亮太氏。自らのキャリアで得たものをサッカー界に還元しようと奔走している。
近年は平均で約50名の契約が成立。
また、このサイトを運営するにあたってマッチングに成功する選手の傾向も見えてきたという。
「J3やJFL、地域リーグでプロ契約を結べる選手は、技術レベルに大きな差がない。人間性の部分が非常に大きいんです。DFの契約が多いと言いましたが、そういう選手は真面目で元気があるし、声を出して、チームを鼓舞できる。そこからポジティブな話につながる傾向が強いかなと思います」
同サイトで最初にマッチングに成功したのは、東京23FCと契約した加部未蘭(2016年引退)だった。スタート時は疑心暗鬼な視線で見られることが多かったが、1人決まると信頼度が格段に増した。初年度こそ契約数は5人だったが、翌年は30人に増えた。そして現在は、平均で50名程度の契約を成立させているほどだ。
従来の代理人との関係性は?
ただその一方で、うまくいかないケースにも直面してきた。
「毎年、契約でのトラブルは数件ありますね。代理人がいる場合は一字一句をチェックしますが、選手個人の場合だと大まかに契約内容が分かればサインするんです。でも、中には分かりづらく違約金を設定したり、移籍できないように縛りを入れていることもある。もしステップアップのオファーが来て、移籍したいと言っても『契約できないよ』と言われてしまう。海外からオファーを受けたのに、現地に着いたら違う選手と契約していたというのもありました」
PLAYMAKERは、ある意味、代理人業の領域を侵食するビジネスでもある。日本には大小、複数のマネジメント会社が存在するが、事業に対しての嫌がらせや厳しい声などはなかったのだろうか。
「昨年聞いた事例ですが、まとまりかけていた契約で、最後に無関係だった代理人が出てきて、白紙に戻されたことがありました。最後は選手がその代理人を外して契約することができましたが、そういうケースは稀ですね。むしろマネジメント企業からは『コネクションに限界はあるので、J3以下は、PLAYMAKERのサービスを利用させてもらいたい』と言われ、実際に契約が決まったケースもあります。代理人のみなさんにも協力してくれているのは、僕らのサービスの強みです」