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初優勝の徳勝龍、期待の朝乃山。
近大監督「居反りの伊東」の遺産。

posted2020/02/19 07:00

 
初優勝の徳勝龍、期待の朝乃山。近大監督「居反りの伊東」の遺産。<Number Web> photograph by KYODO

千秋楽で貴景勝を下して初優勝を果たした徳勝龍。優勝パレードで恩師である近大・伊東勝人監督の遺影を掲げた。

text by

佐藤祥子

佐藤祥子Shoko Sato

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photograph by

KYODO

 幕尻の徳勝龍の、まるで「ミラクル」のような優勝ドラマで、2020年の相撲界が幕開けした。

 それまで十両と幕内を行き来していた33歳、「地味なベテラン関取」の快挙でもあった。そんな徳勝龍は、興奮冷めやらぬ国技館内での優勝インタビューで、本場所中に急逝した恩師、近畿大学相撲部の伊東勝人監督に言及した。

「監督が側で見ていてくれるというよりも、一緒に戦ってくれていたように感じました」

 この言葉に、涙を誘われた。

 思い起こせば昨年5月の夏場所で、同じく近大卒の朝乃山が平幕力士として初優勝。教え子の慶事に大阪から駆け付け、優勝賜杯とともに、満面の笑みで記念写真に収まっていた伊東監督。それからわずか8カ月後――再びの慶事を待たずの、突然の訃報でもあった。

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