スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
J・ヒックスとJ・ヘイダー。
MLBで最も打ちにくい魔球使いは誰?
posted2019/06/08 09:00
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph by
AFLO
「ホームラン狂時代」がつづいている。というより、いよいよ拍車がかかってきた感じだ。2019年5月には、大リーグ月間本塁打総数の最多記録が更新された。
これまでは、17年8月に記録された1119本が最多だった。今回は、5月30日の時点で1095本。あと25本で新記録だったのだが、31日には結局40本のアーチが飛び交い、1135本の新記録が達成された。記念すべき1120号を放ったのは、ブルージェイズの新星ブラディミール・ゲレロJr.。
いまのペースで進めば、年間最多本塁打も当然視野に入ってくる。9月には6300本の声も聞かれるにちがいない。
ただ、こうなると、投手のほうにも眼が行く。打者の祝祭は投手の災難と見られがちだが、どうしてどうして、今季は三振の数も大きく増えている。凄い球を投げているピッチャーもかなり眼につく。
それに、ほんの4年前までは「投高打低」の傾向を憂える人が、ずいぶん多かったではないか。本塁打数が急増したのは2015年後半からだ。2010年、'11年、'13年、'14年は、本塁打率(1試合当たりの本塁打数)が1.0を下回っている。
思わず笑い出したくなる映像も。
それはともかく――。
現在の大リーグで、最も打ちにくい投手はだれだろう。見ていて思わずうなりたくなる投手はだれだろうか。
球速や防御率など、測定の基準となるデータはいくつもある。
ただ、百聞は一見に如かず、ということわざも忘れたくない。
幸い最近は、動画配信サービスが行き渡っている。テレビの衛星放送で見られない映像も、容易に見られる。たとえば、PitchingNinjaというウェブサイトを検索してもらいたい。思わず笑い出したくなる映像をたっぷり楽しむことができる。