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馬場と、画聖・フジタ。秋の夜長の「昔話」。~馬場に藤田嗣治の絵を渡した、美術界の伝説~
text by
門馬忠雄Tadao Monma
photograph byAFLO
posted2015/11/28 16:30
猫と藤田嗣治。戦後、フランス国籍を取得し、レオナール・フジタの別名でも知られている。
宮本輝原作『泥の河』の名匠・小栗康平監督の手がけた映画『FOUJITA』が14日から一般公開された。
時期を同じくして、藤田嗣治の全所蔵作品展示が東京・竹橋の東京国立近代美術館で12月13日まで開催されており、何やら胸がざわざわする。
猫をこよなく愛したおかっぱ頭の画家、藤田嗣治の作品を身近に感じるのは、自らも絵筆を握った故・ジャイアント馬場さんのおかげだ。
もう47年前の昔話である。日本プロレスの東北巡業での出来事だ。たまたま、秋田大会の前日は試合が休みだった。宿で寝転がっていると、馬場さんの付き人だったクマさん(故・大熊元司)が顔を覗かせていう。