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藪恵壹が見た阪神の助っ人補強。
宝クジ脱却へ井川慶を活用しては?
text by
藪恵壹Keiichi Yabu
photograph byKyodo News
posted2018/12/15 11:00
75試合で2割4分2厘、8本塁打、40打点に終わったロサリオ。阪神は来季の契約を結ばないことを決めた。
では、阪神の場合は?
ところがタイガースはどの助っ人に対しても基本的に2年契約の2年目はバイアウト(契約解除金)オプション付き、という契約を結びますし(これは代理人の間でも有名です)、1度成功した外国人助っ人はたとえ成績が下がってきても、極力、残留させようとします。
メッセンジャーや、マートンのように際立った数字を残した選手は別ですが、今の時代は、助っ人はあくまで助っ人として、たとえ数年で出ていってしまっても、次々とリストが上がってきて、日本で成功できる可能性が高い新助っ人候補が準備されているという状況にしておかなければ、継続的に安定した成績をおさめることは難しいのではないでしょうか。
つまり、「宝クジ」と対極にある「安定」した助っ人供給のシステム整備が必要なのではないでしょうか。
シーツ、ウィリアムス以外にも。
例えば、2006年オフにタイガースからポスティングでアメリカのヤンキースに渡って、2011年までアメリカでプレーした井川慶をなぜ、球団はスタッフとして使わないのでしょうか。
井川はマイナーで長く苦労した経験もしていますから、ルートも持っているでしょうし、どういう選手が日本で通用するのか、という目でも選手を見ていたはずです。
現在、アンディ・シーツが東海岸、ジェフ・ウィリアムスが西海岸のスカウトとしてアメリカにいますが、あの広い国に2人だけというのはいくら何でも少なすぎるのではないでしょうか。クロスチェックする役割の人間も含めて倍の4人はいてもいいのではないでしょうか。
また、シーツやウィリアムスが日本のキャンプに来たのを見たことがありませんが、他球団ではそういうこともやっています。2人は来日したい希望もあるはずなので、「日本で成功する外国人選手」を探すためにも、アメリカだけでなく、日本のキャンプも見るべきだと思います。