【NSBC補講II】 BリーグNo.1経営者のビジネス論BACK NUMBER
Bリーグ開幕、千葉ジェッツの変革・上。
島田社長「数字を追及しすぎない」
posted2018/10/03 08:00
text by
島田慎二Shinji Shimada
photograph by
Sports Graphic Number
いよいよBリーグ新シーズンが開幕します。これまで同様、終わりなき戦いともいえる経営そのものの質を高めることはもちろん、あらゆる面で今シーズンも“質”を追求していきたいと考えています。経営者としては、社内的に(売上高で)15億円を狙うとか、昨季と同等の平均観客動員数を確保するといった指標は当然ありますが、その上で今シーズンは数字を追求しすぎない。
昨季の千葉ジェッツの総観客動員数は約15万5000人、平均観客動員数5196人と過去最高を記録しました。しかし、ホーム、船橋アリーナのキャパシティではこの数字が上限。ここでさらに立ち見席数を増やすよりも、質を高めることにフォーカスし、観に来ていただく方の満足度を高めることに特化したいと考えているからです。
私の必要性を少しずつ落とす。
興行的な面やチームのことばかりでなく、経営的なことを考慮しても同じことが言えます。毎年右肩上がりに上昇している売上高ですが、並行して我々がやるべきことが必然的に増加しているのも事実です。
業務が多岐に渡り、フロントスタッフの人員を増やしても追いつかなかったり、どんなに注意していてもミスが出たり、雑になることも出てきてしまいます。そういったことを防ぐためにはマネジメントのクオリティをあげることも重要ですし、それが結果的に経営の質へとつながっていきます。
ジェッツにとって、毎シーズンが勝負だと考え、いかに質を向上させるかに努めていますが、個人的には今シーズンはこれまでとは異なる成長を遂げたいと考えています。それは一体何なのか。クラブ内において私の力の必要性や割合を、今後時間をかけて少しずつ落としていき、スタッフ、そしてチームの成長をさらに促したい。
私がこれまでグイグイとエネルギーを持って引っ張ってきましたが、チームはこれから5年、10年、15年……と続いていきます。当然ながら私も年を重ねるわけで、未来永劫、私が社長というわけにはいきません。未来のジェッツのことを考えれば、組織としての生き残り方や戦い方を考え、その方向へと導いていく必要があります。