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馬術の世界選手権でメダルに肉薄!
「日本もいるぞと存在感を示せた」
text by
北野あづさAzusa Kitano
photograph byAzusa Kitano
posted2018/09/24 11:00
東京オリンピックでは、馬術競技は馬事公苑と青海の海の森クロスカントリーコースで行われる。
日本の最強メンバーが揃った。
そして息つく暇もなく、世界選手権へ。こちらは最高レベルのフォースターで行われるため、アジア大会と同じ人馬コンビで出場することはできないが、2選手が馬を替えて両大会に出場した。
アジア大会を終えて拠点のヨーロッパに戻り、世界選手権でコンビを組む馬の調整を行なって、すぐに会場であるアメリカ・ノースカロライナ州のトライオンに飛んだ。この間、2週間。
世界選手権は1990年にスタートした大会で、今回が8回目。過去に、日本が団体を組んで順位がついたのは8年前のケンタッキー(アメリカ)大会の9位のみだった。当然、ノーマーク。
チームメンバーは大岩義明、北島隆三、田中利幸、戸本一真の4人。大岩は直近3回のオリンピックに出場しており、過去3回のアジア大会で獲得した金メダルは4個。2001年にヨーロッパで活動をスタートして現在の拠点はドイツ、近年は国際大会での優勝も珍しくなくなった日本のキャプテンだ。
北島はリオデジャネイロ、田中はロンドンオリンピックに出場しており、ともにイギリスに拠点を置いている。戸本は3年前に日本からイギリスに拠点を移し、本格的に総合馬術に参戦している。今の日本の最強メンバーだが、強豪国を相手に日本はあくまでも挑戦者だった。
何度もコースを歩き、イメージを作る。
最初の種目、馬場馬術競技で日本は16カ国中10位につけた。団体の成績は、チーム内で上位3人馬の成績をカウントする。10位は日本にとって、特別良くも悪くもない、そんなポジションだった。
2つ目の種目であるクロスカントリー競技は、全長5700mのコース上に30を超えるボリューム満点の障害物が選手を待っている。ミスなく少ないタイムオーバーでゴールするため、選手は何度も自分の足でコースを歩き、イメージをつくり上げていった。
団体戦においては、チーム内の出場順がカギになる。1人目は戸本。「1人目と言われたときには、そういうことなんだな、と思いました」。
“切り込み隊長”としてコースを走り、その感覚や注意点などを後続の仲間に伝える役割だ。トレーナーからは「誰もタイムインなんて期待していないから、思い切ってやってこい」と言われた。ところがその戸本がノーミス、インタイムでゴール。チームに良い流れを引き寄せた。