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松井秀喜とヤンキースの幸福な関係。
“日本の”野球殿堂入りを祝う式典。
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byKyodo News
posted2018/09/02 11:30
8月27日、ヤンキースタジアムで式典に登場した松井秀喜。キャッシュマンGMからは記念のカフスを贈呈された。
佐々木主浩もマリナーズでVIPに。
2016年夏、かつてマリナーズのクローザーとして活躍した佐々木主浩氏が、プライベートの家族旅行でシアトルを訪れた際、情報をキャッチしたマリナーズ首脳は、すぐに「おもてなし」の準備を進めた。ダッグアウトからグラウンドまでレッドカーペットを敷き、試合前の始球式で出迎えた。
その後は、スイートルームで食事を用意し、チームの貢献者を歓迎した。試合中には、オーナー陣が直接、あいさつに訪れるなど、文字通り「VIP」として、OBの来訪を歓待した。
先人の功績を忘れることなく。
今年、100回大会を迎えた夏の高校野球では、甲子園を沸かせたレジェンドによる始球式が、初日から決勝戦まで行われた。熱闘、名勝負を演じた好投手、アイドルのように騒がれた選手らの「登板」は、オールドファンならずとも、郷愁とリスペクトを感じられる光景だった。
歴史の重みを感じ、先人へのリスペクトを再認識することは、野球界にかぎらず、意義深い。何も、過去を「旧き良き時代」として懐かしむというだけではない。
松井氏の日本野球殿堂入りを、ヤンキースタジアムで祝福し、心からリスペクトする米国野球は、ただ単純に、スピードやパワーで他国を上回っているわけではない。
先人の功績を忘れることなく、本当の意味で「リスペクト」し続ける米国に、まだまだ見習うべき部分は、数多い。