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フェンシング女子フルーレの金メダル。
勝因はフランス人コーチの意識改革! 

text by

石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

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photograph byMATSUO/AFLO SPORT

posted2018/08/27 10:30

フェンシング女子フルーレの金メダル。勝因はフランス人コーチの意識改革!<Number Web> photograph by MATSUO/AFLO SPORT

金メダル獲得で喜ぶ(左から)男子フルーレ統括コーチのオレグ・マツェイチュク氏と宮脇花綸、辻すみれ、東晟良、フランク・ボアダンコーチ、菊池小巻。

みんなでいい状態になっているよね。

 自身の変化はもちろん、同世代の菊池の成長や活躍にも刺激を受けていると宮脇は語る。

「誰か1人が引っ張っていくというよりも、今は“みんなでいい状態になっているよね”という空気が漂っています。他のメンバーが頑張ったから私も頑張らなきゃって、いい意味で刺激を受けています。チームにそういう雰囲気があるのはすごくいいことだなと思いますね」

 求められた意識改革に全身全霊で取り組んで応えた結果、アジア大会は最高の形で終えることができた。

 4月の世界ジュニア・カデ選手権ジュニア女子フルーレでは上野優佳が頂点に立つなど、女子フルーレはアンダーからシニアまで、すべての世代での強化が進んでいる。

女子初の五輪表彰台に向けて。

 世界選手権前、菊池が「(東京五輪まで)あと2年しかないと思っています。これから理想とするフェンシングを仕上げ、自信になるような結果が出せるよう(日々)積み重ねていきたいです」と話していたように、アジア大会金メダルという結果は、彼女たちに大きな自信を与えたことだろう。しかし、これはあくまでも通過点に過ぎない。

 '08年北京五輪の男子フルーレ個人で太田雄貴(現フェンシング協会会長)が銀メダルを、'12年ロンドン五輪男子フルーレ団体で銀メダルを獲得しているが、フェンシング女子は、個人・団体を通じて、まだ一度も五輪で表彰台に上がったことがない。欧州勢の層は厚く、その壁を乗り越えることは決して容易なことではない。

 メダルへの道のりは険しいかもしれない。しかし、それでも彼女たちは前を向く。

 2020年東京五輪で新たな歴史を刻むために――。

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