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隙を逃さないヤクルトの「走塁変革」。
旗手は広島から来た河田雄祐コーチ。 

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浜本卓也(日刊スポーツ)

浜本卓也(日刊スポーツ)Takuya Hamamoto

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posted2018/05/20 07:00

隙を逃さないヤクルトの「走塁変革」。旗手は広島から来た河田雄祐コーチ。<Number Web> photograph by Kyodo News

5月9日に好走塁を見せた西浦。開幕スタメンではなかったが、少ないチャンスを生かして遊撃のレギュラーを獲得している。

「長打なら一気に本塁を狙う」

 冒頭の西浦しかり、この時の古賀のスタートも、イチかバチかのギャンブル的なものではなかった。

 古賀は「(フルカウントになった時に)いいスタートを切るために、初球からモーションをずっと見ていました。スタートがちょっと早かったかもしれないですが、自信を持って切りました」と話した。2死から四球で出塁した時から「長打なら一気に本塁を狙う」というチーム戦術が、古賀の頭にしっかりと刻まれていた。

 一塁ベースコーチを務める土橋勝征内野守備走塁コーチの指示で、初球から一岡の投球モーションを凝視。相手投手のデータに観察から得たタイミングを加え、その時を待った。「けん制球はこない」という確信から生まれた好スタートだった。

 河田コーチは「走塁で点を取りたいという思いはある。選手の意識も変わってくれればと思うし、変わってきてくれていると思う。こういうことも話をしていきたい」と、変革の芽吹きを感じている。

 打って走るだけじゃない。

 王者広島のように、ヤクルトが隙のない走塁で得点を重ねていく日が来るのは、そんなに遠くない気がする。

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