球道雑記BACK NUMBER
ロッテ投手陣で最多登板の33歳。
大谷智久の憧れは先輩・小宮山悟。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byNanae Suzuki
posted2018/03/12 07:00
昨季のチーム防御率は12球団ワーストの4.22。立て直しに向けて今年も大谷の奮闘は欠かせない。
すべては井口監督を胴上げするために。
そんな大谷に、数字的な目標はあるのかを訊いてみた。すると彼はこう答える。
「自分の想いはもちろんありますけど、それを人には言わないです。僕はそれを意識しちゃうので。目標を立ててやるのが一番良いのかもしれないですけど、僕の場合、意識して良かったことがない。
それよりも、今の一番は井口(資仁)監督を胴上げするために、自分が何をすればいいのかということです。その想いが一番強いですよね。その中で自分も投げないと一緒に喜びも分かち合えないし、そしたらやることが見えてくるのかなと思っています」
先発やストッパーに比べ、中継ぎはあまり日の当たるポジションではないかもしれない。しかし、かつて“逆転のロッテ”と恐れられたこのチームには、必ずと言っていいほど強固な中継ぎ陣が存在した。彼らの投球は粘り強く、自陣に流れを呼び寄せ、打線の奮起を促す働きをした。
当然、誰にでも務まるポジションではない。
いつだって組織のキーマンは日の当たらないところに存在する。大谷智久はそこに誇りを感じ、今日もブルペンへと向かう。