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村田諒太が「ドカンと成長」した時。
人間のキャリアは一歩一歩じゃない?
text by
薦田岳史(Number編集部)Takeshi Komoda
photograph byTakuya Sugiyama
posted2018/01/18 12:10
普段の村田諒太は、ボクサーのイメージとは全く異なる話し方をする。そのギャップも魅力の1つだ。
金メダルより、世界チャンピオンの方が断然嬉しい。
エンダムとの再戦が決まり、「世界王者になれ」という大きな重圧がかかった。そこを乗り切り、勝利した喜びについては、こう表現した。
「金メダルを獲った時と世界チャンピオンを獲ったときと、どっちが嬉しいと聞かれたら、僕は断然世界チャンピオンです。例えば、オスカー・デラホーヤは金メダルだって言っているみたいですけど、僕は違って……。
金メダルの時は、正直その先に何が待ち受けているかわからなかった。ただただメダルを獲ったことが嬉しくて。今回はそういった重圧も乗り越えて、世界チャンピオンになれたという嬉しさがありますね。
それにロンドンの時は、僕はその前年の世界選手権の決勝で負けたフイトロフとは最後まで当たらなかった。それに対して、今回は一回負けた相手にリベンジできている。そういう直接的な嬉しさもあるのかもしれませんね」
見つけた新しい目標は、東京ドームでのビッグマッチ。
次戦は4月に国内での防衛戦開催を目指して調整中で、現在は沖縄で強化合宿を張り、着々と準備を進める。2018年、村田選手はどこへ向かうのか。
「エンダムに勝ってから、実は新しい目標を見つけました。世界チャンピオンになった両国国技館のリングでも言いましたが、僕より強いミドル級のチャンピオンが世界にはいます。ラスベガスで、それとも海外のどこかで強いチャンピオンと戦うことを目指すのが一つの目標になっているのは確かです。しかしその先に、もっと大きな目標があります。それが何かと言えば『東京ドームでビッグマッチをやること』です」