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「スポーツベンチャーのトキワ荘を!」
為末大が池田純に熱弁した起業家の夢。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byKiichi Matsumoto
posted2017/05/11 19:00
LAドジャースが作った数百億円の巨大ファンド。
池田「アメリカでは、リーグがスタートアップに商標を渡して、生まれて来たもののリターンと株をもらうという形もありますね。そのあたり日本はまだまだ整理できていない。
野球だとドジャースがすごいんですよ。何百億かのファンドを作って、それでスタートアップに投資している。例えば、すでに全ての球場にトラックマン(レーダー式の弾丸追尾システム)を入れてデータを取っているんですが、元選手や元監督と組んだベンチャーが、それを3Dで可視化するシステムを作っています。それで何をするか。選手がケガをするとその間に打撃勘が弱まってしまうので、ダルビッシュのカーブとかスライダーとかあらゆるボールを生きた3Dで見せているんです。
このシステムはかなり価値が上がっていますが、そういうことをドジャースが最初にファンドを作ってやってるんですよね。
日本ではまだITに投資するベンチャーキャピタルしかないので、それがどうやったらスポーツベンチャーにいくのかなと。NPBやJリーグなどがファンドビジネスを始めるといいんですけどね。もしかしたら、そろそろどこかが始めるかもしれない。
スポーツビジネスでいかに成功するか、その術は自分で見つけるしかないと思っています。既存のことだけを学んでいてもダメで、自分で新しいことを考える。社会がどれだけ騒いでくれて、ニュースバリューが生まれ、どれだけ一般に知られるか、ということが成功のキーだと思っているんですよ。だからここ(NSBC)はそういう場にできるといいなと思います」
第2回目の「Number Sports Business College」も最後まで受講者の声が止まることがなかった。具体的な事例を元にした議論はあっという間に90分。池田氏のいう、新しいことを考える場がそこにはあった。
次回は5月18日、ゲストはBリーグの大河正明チェアマンが登場する。
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