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「僕、毎試合投げ方が違うんですよ」
武田翔太の投球の核は“ケツをポン”。

posted2016/12/22 11:30

 
「僕、毎試合投げ方が違うんですよ」武田翔太の投球の核は“ケツをポン”。<Number Web> photograph by Kyodo News

プロ6年目にして年俸1億2千万円(推定)と大台を越えた武田。来年は投球回数200イニングを目指す!

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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Kyodo News

 ソフトバンクの武田翔太にとって、今季はさらなる高みへと足を踏み入れたシーズンとなった。

 パ・リーグ2位タイの14勝。防御率2.95、144奪三振などキャリアハイの成績を残した。9月下旬の首位日本ハムとの直接対決、CSファイナル初戦で痛打された悔しさなどから、「来年は全体的にパワーアップしないといけない」と自らを奮い立たせたが、実りある1年であったことは間違いない。

 その武田のトレードマークと言えば、速く、大きく変化するカーブだが、他にも大きなアイデンティティが存在する。

 それは、半袖のアンダーシャツを着て投げること。

 理由は「投げていると暑くなる」からだという。武田はシーズン開幕当初や終盤の寒い仙台でも、平然と半袖姿で投げる。

「ほかの人に迷惑をかけるから投げた」

 3月27日、コボスタ宮城での楽天戦。武田は試合開始時点こそ長袖だったが、4回から半袖のアンダーシャツに装いを変えた。

「今だから言えることですけどね」

 そう前置きしてから回想を始める。

「あの日、朝起きたら39度の熱が出ていたんです。でも、黙って投げました。それを言うとほかの人に迷惑をかけるから『投げよう』と覚悟していきました」

 3回から体がほてってきた。シーズン初登板から湧き出るアドレナリンと発汗作用が、マウンド上の武田のコンディションを安定させていく。9回128球を投げ無失点で、ソフトバンクのシーズン初勝利に貢献した。武田は、ヒーローインタビューで「こんなにきつい試合はありませんでした」と胸をなでおろした。

 チームを勝たせるパフォーマンスを披露できたと同時に、39度の熱を押して投げていたことから、本音がつい漏れたわけだ。

【次ページ】 大雨の降る中、試合中断・再開後も投げ続けた理由。

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