野ボール横丁BACK NUMBER
選抜をかけた超スラッガー対決実現。
早実・清宮幸太郎vs.日大三・金成麗生。
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/11/02 11:45
打った瞬間に、ホームランと分かる弾道。左投げ左打ちの金成からは高校2年生とは思えぬオーラがある。
清宮に「負けらんねえと思ってやってきた」。
小倉監督は、こう目を細める。
「うまさは清宮君の方が上だろうけど、ホームラン率と飛距離は金成も負けてないんじゃないかな。あれだけ振られたら、相手は嫌だと思うよ」
早実と日大三といえば、過去、何度も名勝負を繰り広げてきた因縁のライバル同士である。
昨年夏も西東京大会の準決勝でぶつかり、怪物1年生として世間を賑わしていた清宮の右中間フェンス直撃の2点二塁打で、2-0で早実が勝っている。
そのときスタンドで応援していたという金成は、こうライバル心を剥き出しにする。
「同級生にこんなやつがいるんだ、負けらんねえと思ってやってきた」
東京で今、もっとも盛りあがる早実vs.日大三というカードに、清宮、金成と役者もそろった。高校野球において、好投手同士の対戦は頻繁に実現するが、これだけのスケール感のあるスラッガー同士が大舞台でぶつかることはそうあるものではない。
来春の甲子園をかけた注目の決勝は11月3日、学生野球の聖地・神宮球場で2時プレイボールだ。
清宮の甲子園という夢に、文字通り金成という巨大な壁が立ちはだかる。