オリンピックへの道BACK NUMBER
リオの“隠れメダル候補”は競歩。
急成長の理由は基盤の薄さにあり?
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2016/07/17 07:00
リオ五輪競歩代表に選出された(左から)松永大介、高橋英輝、谷井孝行、森岡紘一朗。メダルの期待がかかる4人だ。
「20kmも50kmも、全員がメダル候補」(谷井)
もし、各所属先ごとに指導体制が確立され、多数の選手がいて、しっかりとしたチームとして成り立っていれば、合宿の場でそのようなあり方を取れなかったかもしれない。言ってみれば、競技としての基盤がまだ薄いことを逆手にとって、代表を1つのチームのようにして強化を図ったのである。
リオデジャネイロの20kmは、五輪初出場となる23歳の高橋、21歳の松永、ロンドンに続く2度目の28歳の藤沢と、若い世代がそろった。
50kmは荒井こそ五輪初出場だが、出場4度目の谷井、3度目の森岡と経験のある選手ぞろいだ。
対照的なカラーとなったが、目指すところは同じだ。谷井はこうコメントしている。
「20kmも50kmも、全員がメダル候補」
昨年の世界選手権でも競歩の強豪国であるロシアの主要な選手はドーピング違反で出場しなかったが、リオはロシア陸上界丸ごとの出場停止処分で出られない。
オリンピックで初めてのメダルを獲得したとき、競歩の歴史は新たな時を刻むことになる。