スポーツはカタチから入る方なんですBACK NUMBER
コース、タイム、理論に束縛されない……
そんな自由なランニングがあってもいい。
posted2016/02/29 07:00
text by
奥山泰広&高成浩Yasuhiro Okuyama & Seikoh Coe(POW-DER)
photograph by
Nanae Suzuki
一時期フルマラソン完走を目指していたトコロ、体調不良でやむなく断念していた奥山氏が、再び走り出すと宣言! そのための新たなランニングシューズを物色中。そんな彼に高氏がなにやらアドバイスをし始めたのだが……!?
奥山 お早うございま~スッ。カレンダー上では春はすぐそこなんですが、朝はまだまだ寒いっスね~。でも、その寒さにめげず、相変わらず街中をアマチュアランナーがたくさん走ってますね。
高 まぁねぇ、冬は耐久スポーツに最適だからねぇ。
奥山 ランニングに適した気温は7度前後と言いたいんでしょ! 蘊蓄オヤジの長~い話が始まりそうだから、機先を制しちゃいます(笑)。
高 うむ、それに付け加えるならば、最適気温から5度上昇すると3%ほどパフォーマンスが低下、10度上昇すると5%低下すると言われているんだ。気温18度くらいまで上がると、サブ4ランナーでは15分ほどタイムが遅れてしまうんだな。
奥山 ちっ、気温だけで長々と蘊蓄しゃべりやがって……。ま、そんなワケでランニングに適した時期の間に、また走り始めようかと思っているんですよ。
高 ほう、ここ1~2年ダイエットとか、シビアに体調管理してたもんな。体力&筋力回復に、ゆっくり走るのはいいことだよ。
奥山 いや、ゆっくりなんて悠長なコトは言ってられません。すぐにでもサブ4どころか、サブ3を目指しますから!
高 あ~、典型的なアマチュアランナーだな。なんで、そんな風にタイムやペースにこだわるんだろうなぁ。さらには、ランニングフォームとか理論とかを気にするあまり、スクールに通ったり、ランニングコーチやトレーナーに付いて走ったりするんだろ!? もっと自由に走ってもいいじゃんか。
奥山 そんなコト言ったって、マラソン大会に出て自分の実力がどれくらいなのか知りたくなるじゃないですか。
高 う~む、タイムやパフォーマンス向上を目指すのは、アスリートの性(さが)なんだけどね……。その一方で、走るコースやタイムに囚われない、自由なカタチのランニングも人気急騰中なんだけどなぁ。ほらっ、俺が以前に経験したサロモンの「パークランニング」なんて、意外な発見があって、とても楽しかったんだけどね。
ランニングの新しいカタチ〈SALOMON RUNNING〉。
奥山 はいはい、そう言えば、街中にある公園や河川敷といった“身近な自然”の中を走るのが気持ちいい……って、盛んに推奨してましたっけ。
高 そう、それ! マウンテンスポーツを楽しむためのギアを69年に渡って開発してきたサロモンが、自宅からトレイルまで網羅する“ドア・トゥ・トレイル”を提案。その次は街中の階段や坂道、砂利道をトレランと同じマインドで走る“シティ・トレイル”を提案したんだよ。
奥山 なるほど。走るフィールドやスタイルの枠を取っ払っちゃったんですね。そりゃあ楽しそうですね。
高 うん。一見平坦に見える都会にも、ちょっと路地に入ると神社への階段があったり、ビル街のファサードにもスロープやステップがある。そんな意外な発見と、そういうトコロを走るという新鮮な体験が、とても楽しいんだよ。
奥山 へえ~、気ままにランニングコースを変えちゃうんですね。そうなるとタイムもゴールも関係なくなっちゃいますね。
高 そりゃあサ、タイム向上も良いけどサ、タイムやゴールから解放されて走るとサ、いつものロードランニングがたちまちアドベンチャーに変わるんだゼ!
奥山 おおっ、素晴らしいですね。んっ!? なんだか高さんに上手くノセられちゃってるかな? ま、いいや……んじゃあ、当然シューズはサロモンの最新モデルがいいんですよね!?
高 もちろん! 標高0mから4000mまでをカバーするサロモンの豊富なラインナップから、イチ押しはこの「SONIC PRO(ソニック プロ)」だな。