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投手ランクとダルビッシュ有。
~日本人投手の評価が低すぎる!?~
posted2016/02/13 10:30
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph by
Getty Images
春季トレーニングがすぐにも始まる。球春到来を待ちわびている人は多いだろうが、毎年いまごろ、それに先立って「野球心」をくすぐるランキングが発表される。
MLB.comによる〈ファンタジー・プレイヤー・プレヴュー〉だ。
読んで字のごとく、これは個々の選手の評価表である。選手には値札が付いていて、ファンタジー・リーグに参加する人は、これを参考にして好きな選手をピックアップする。参加しない人も、これを見て2016年シーズンを占う。だれが活躍するか。だれが伸びるか。だれが沈むか。そして、どんな穴馬が飛び出すか。
日本人選手のランクは、スポーツ新聞でも一部紹介されている。〈全体のランク〉でいうと、田中将大が120位、ダルビッシュ有が131位、岩隈久志が155位、前田健太が237位。随分評価が低いな、と感じる人は多いはずだ。私もそう思うが、憤慨する前にまずは全体をじっくり見渡してみようではないか。
ベストテンはお馴染みのビッグネーム。
全体ベストテンの上位を占めるのはお馴染みのビッグネームだ。
1 ブライス・ハーパー(ナショナルズ)
2 マイク・トラウト(エンジェルス)
3 ポール・ゴールドシュミット(ダイヤモンドバックス)
4 ジョシュ・ドナルドソン(ブルージェイズ)
5 クレイトン・カーショー(ドジャース)
ここまでがベスト5で、このあとにはカルロス・コレア(アストロズ)、ジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)、ノーラン・アレナド(ロッキーズ)、アンソニー・リゾ(カブス)、ホゼ・アルトゥーベ(アストロズ)という伸び盛りの若手がつづく。なかなか渋い選出だ。去年飛躍したアストロズからは2人。不振だったマーリンズとロッキーズからも、1人ずつ。これで合計10人だが、投手はカーショーただひとりだ。
もっと興味深いのは、11位から30位の間にひしめく若手成長株だろう。思い切った抜擢を受けた選手が何人か混じっている。