オリンピックへの道BACK NUMBER
基礎点はもう上限、伸ばせる要素は?
羽生結弦は一体どこまで行く……。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAsami Enomoto
posted2015/12/14 16:00
「厳しい練習に耐えてくれた(自分の)身体に感謝。そして応援して下さっている方々皆さんに感謝したいです」とコメントした羽生。
たったひとりでも万全……驚異的な自己管理能力。
見守るコーチの目がない中での練習と調整であったにもかかわらず、調子を落とすことなく、さらに向上させたのである。
コーチ不在では往々にして崩れることがある。そうならなかったのは、羽生の自己管理のレベルの高さを示しているし、達成感に浸ったままではなかったことを表している。
そのメンタルもまた、賞賛に値する。
NHK杯に続き、グランプリファイナルでも驚異的な滑りを見せて上限の得点にほぼ近づいた。今シーズンの残りの大会で、上限の得点までのわずかな差をさらに縮めていけるのか。
その差をすべて埋めたとき、どのような光景が広がるのか……。
そんなことを思わされた大会だった。