今季求められる“5位なり”の戦い方とは？

　今季は、アルマグロのような実力者が、時には捨て身で挑んでくるはずだ。それが、追われる立場だ。下位の挑戦を退け、ノバク・ジョコビッチらトップ3を追い落とすためにどう戦うか。錦織に今、求められるのは“5位なり”の戦い方だ。今季の方向性のひとつを、この初戦で示したと見ることもできる。

「タフな1回戦を予想していたので、最後はいいプレーも出て、3セットで決められたのは、いい出だしだと思う」

　会見での表情にも満足感が漂う。自己評価を聞かれると「十分だと思う」。グランドスラム初戦で、この相手にストレート勝ちは、確かに高く評価できる。

　異論もあろうが、内容的にも会心の出来と言っていいだろう。厳しい条件下、軸足の定まった戦い方ができたという意味で、満点を与えられる試合だった。