山井大介の名言

オレってどういう人間なんだろう。選択した道は正しい。でも、完全試合を途中で降りるなんて。しかも自分で申し出て。考えれば考えるほどわからなくなりました。

中日の3勝1敗で迎えた2007年日本シリーズ第5戦。先発の山井は8回終了時点でランナーを1人も出さないパーフェクトピッチング。日本シリーズ史上初の完全試合達成なるかと思われたが、9回のマウンドに立ったのは守護神の岩瀬仁紀だった。交代を決めた落合博満監督の采配に批判があがったが、山井も最後は岩瀬に託すことに関しては納得していたという。「結論は岩瀬さんへのリレーでしたが、それを、あえて自分から言い出すことは、やはりできませんでした」。ベンチ裏で森コーチに「どうする？」と問われ、「代えてください。お願いします」と申し出たというが、やはり完全試合への未練は残っていたのだ。それが投手としての本能であろう。

Number700号(2008/03/19)