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ロナウドが試合後に口にした“諦め”。
ポルトガル積年の課題は解決されず。 

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豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

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photograph byGetty Images

posted2014/06/24 10:30

ロナウドが試合後に口にした“諦め”。ポルトガル積年の課題は解決されず。<Number Web> photograph by Getty Images

試合後にピッチに座り込んだロナウドの目に、ベルナベウで見せる輝きはなかった。グループ最終戦、彼はどんな表情で試合に臨むのだろうか。

29歳、バロンドール受賞者は既に諦めてしまったのか。

 試合終了から2時間以上が経った。世界中の記者がロナウドを待ち続けていた。ドーピング検査後に姿を現した彼の表情は固く、口数は少ない。

 彼はチームの低迷をこう語っている。

「いくつもの要因がある。多くの選手がチャンピオンズリーグ、リーガ、国王杯を最後まで戦ったし、それは理由のひとつかもしれない。ただ、元々ポルトガルは優勝候補ではなかったんだ。実際、大会出場もプレーオフの末のものだ。ポルトガルよりも優れたチームがあるのが現実なんだ」

 総合的なチーム力の低さ、パートナーを組むCFの不在、初戦での不運、そして負傷によるコンディション不足――。彼が言うように、敗因を挙げればきりがない。

 29歳、バロンドール受賞者として迎えたはじめてのワールドカップへの意気込みは高かった。だからこそ、負傷を抱えながらもプレーしたはずだ。しかし彼は再び国際舞台で結果を残すことなく、大会を去ることになるだろう。

「数字上可能性は残っているし、顔を上げなければ。ほぼ不可能かもしれないが、サッカーではすべてが起こりうる」

 最後の言葉は前向きだった。

 しかし本心はそうではない。広報に促され、チームバスへと消えていく彼の浮かない表情が、何よりもそれを物語っていた。

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