濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
“最新型グレイシー”クロン、来襲。
格闘技復活への起爆剤となるか。
posted2014/05/30 10:40
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Susumu Nagao
これほど取材陣が多い記者会見は久しぶりだった。5月26日に行なわれた、新イベント『REAL FIGHT CHAMPIONSHIP』の開催発表会見。格闘技メディアだけでなく、全国紙の記者やワイドショーのクルーも会場の高級ホテルを訪れていた。
ジャンルの枠を超えた注目をもたらしたのは、世界で最も有名な、リビング・レジェンドともいうべき柔術家だ。
ヒクソン・グレイシー。400戦無敗と謳われ、中井祐樹、高田延彦、船木誠勝らも敗れた、グレイシー一族を代表する男である。『REAL FIGHT CHAMPIONSHIP』旗揚げ戦では、ヒクソンの息子であるクロンがMMAデビューを果たすことが決定。この記者会見にも、クロンとともにヒクソンが出席した。
クロン・グレイシー獲得によってイベント開催が決定。
『REAL FIGHT CHAMPIONSHIP』は、もともと山田重孝代表が中国で開催してきたイベントをバージョンアップしたもの。第1回大会は年内に関東の5000~10000人規模の会場で開催される予定だという。
山田代表がビッグイベント開催を決めたのも、クロンを“獲得”できたことがきっかけだったようだ。クロンは、すでに柔術の世界ではビッグネーム。グラップリング(打撃なし)の世界トーナメントであるアブダビ・コンバットにおいてオール一本勝ちで優勝を果たすなど、組み技での実力は折り紙付きだ。昨年6月にはグラップリングのワンマッチで青木真也と対戦し、フロントチョークでタップを奪ってもいる。
クロンは、自分が受け継ごうとしているものの重さを充分に理解している。いわく「ロールモデルである父を超えるのが自分の目標。でもそれは父より有名になるということではありません。一族を代表する選手として強くなりたい」。