控え組の猛アピールがチームに活気を与える。

　一方、長友の代わりに左サイドバックで先発した酒井高は守備面の連係で戸惑うシーンが見られたものの、ここは数日の練習でクリアになるようにも思う。連係面で実績を重視するならば、この日も無難なプレーを見せた駒野友一にもチャンスはあるだろう。

　決勝点を奪ったマイクの力強さも目を見張るものがあったし、Jリーグで首位に立つ横浜F・マリノスを支える栗原勇蔵も調子の良さがうかがえた。

　控え組の猛アピール。チーム全体の競争意識が活気につながっていて、結局のところ筆者のなかでは不安よりも期待のほうが上回っている。

　これからが大事なんだ、と遠藤の目は言っている。

「きょうの試合で出てきた良い部分と悪い部分を確認して、選手同士でも話し合いながら修正していければいい。試合をやったからこそ分かる部分がありますから。ここで1試合やって全体のコンディションも良くなると思う。ただ、きょう勝ったからといって、次勝てるわけじゃない。すべてをヨルダン戦にぶつけたいと思います」

　カナダ戦の教訓をしっかりと胸に刻んだうえで、ザックジャパンは26日に控えるアンマンでの大一番へと向かう。