24歳の森本が仕切り直す時間は、まだ残されている！

　謙虚な森本は、目前の試合に対して「勝ちたい」とか「チームのためにゴールを取りたい」と常々言ってきた。だが、「チャンピオンズリーグに出たい」もしくは「強豪クラブでプレーしたい」といった具体的な“個人的願望”を口にしたことは一度もない。

　同じように北京五輪や南アフリカW杯を経ながら、現在スクデット争いをするDF長友佑都(インテル)やブンデスリーガなどでプレーする選手たちに有って、森本に無かったものは、“具体的目標を己に課す姿勢”だろう。出場機会が激減した今、森本が自身に問うべきは、フィジカルの強化方法でもテクニックの向上メニューでもなく、サッカーへのアプローチなのだと思う。

　地元紙『ラ・シチリア』のカターニャ番記者によれば、この冬の市場で森本かドゥカラがレンタル放出される可能性はかなり高い。ペスカーラ戦後、「今日の悔しさを忘れない」と言った森本にはこれまでと異なる悲壮感があった。24歳の彼が仕切り直す時間は、まだ残されている。