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ソチGPファイナルを日本勢が独占!
浅田真央、3度目の優勝の意義。 

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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photograph byYUTAKA/AFLO SPORT

posted2012/12/10 11:15

ソチGPファイナルを日本勢が独占!浅田真央、3度目の優勝の意義。<Number Web> photograph by YUTAKA/AFLO SPORT

フリーで「白鳥の湖」を見事に演じきった浅田。不振を極めた昨季から、新しいステージへ向かう強い意志を感じさせる素晴らしい演技で、大会会場のみならず、世界中の観戦者を魅了した。

エースの意地を見せた高橋大輔がファイナル初優勝。

 男子は高橋大輔がGPファイナル初優勝を決めた。2005年から7回出場して、手にした5個目のメダル。遅すぎるくらいの金だった。GP大会では2回とも2位に終わってファンを心配させたが、この大舞台ではしっかり決めて、やはりまだ日本のエースの座は彼のものであるというところを見せつけた。

「結果は嬉しいけれど、内容には不満。皆がパーフェクトな中での勝ちではなかった。まだまだ課題はある」と彼らしいコメントをした。サプライズも多いGPシリーズだったが、最終的にファイナルで勝ち残り表彰台に上がったのは、高橋大輔、羽生結弦、パトリック・チャンの世界選手権メダリスト3人だった。

実力を見せつけた“フィギュアスケート王国”日本。 

 シニアでは男女シングル代表12人中、半数の6人が日本選手という中で、今回は史上初めて男女とも日本がタイトルを独占。男子で2位となった羽生結弦、女子3位だった鈴木明子と合わせて6個のメダルのうち4個を日本が勝ち取った。

 ソチ五輪開催のこの地で、これだけの成績を出した意味は大きい。特に、1年前まではほとんど打ち破ることは不可能に思えたパトリック・チャンがここで3位に終わり、高橋のみならず、羽生までも彼を上回る成績を出したことは今後の大きな自信につながるだろう。

「(日本の)先輩がいっぱいいたから、安心できました。しっかりできたのも、みんなと日本語で話していられたおかげだと思います」と羽生結弦は会見でコメントした。

 世界に誇る日本フィギュアスケート王国、次はいよいよ12月21日から始まる全日本選手権が控えている。世界一、過酷な国内選手権になることは間違いない。

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