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2011年W杯をかけたアジア杯開幕へ。
“進化した”なでしこジャパン。 

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河崎三行

河崎三行Sangyo Kawasaki

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photograph byKYODO

posted2010/05/18 10:30

2011年W杯をかけたアジア杯開幕へ。“進化した”なでしこジャパン。<Number Web> photograph by KYODO

今年2月には東アジア選手権2連覇を達成したなでしこジャパン。最新(3月21日現在)のFIFAランキングではアメリカ、ドイツ、ブラジル、スウェーデンに続く5位である

日本と同じA組の北朝鮮も優勝候補の一角を占める。

 ライバルの北朝鮮は持ち前の走力をベースに、隙のないサッカーをする。しかし戦術的・精神的支柱だったFWリ・クムスクの引退が大きく影を落としている。相変わらず強いには強いが、以前の恐さがない。GKに安定感がないのも相変わらずだ。

 とはいえ、FIFAランクでアジア最高位の座を長く守り続けているのは並大抵のことではない。今回も間違いなく優勝候補の一角を占めるチームだ。

B組は中国、オーストラリア、韓国が熾烈なつぶし合いを。

 激戦区となったのが、B組。中国、オーストラリア、韓国の3国が、決勝トーナメントに進める二つの椅子を争う。直接対決の結果はもちろん、ひとり蚊帳の外に置かれるベトナムとの試合でどれほどゴールを挙げられるかも、順位を左右しそうだ。

 自国開催となる中国だが、2月の東アジア選手権では北京五輪以降の上積みを見せられなかった上、今大会は攻撃の軸となるFW馬暁旭が怪我のため欠場。明るい材料は少ない。

 が、ゲーム内容は悪くとも試合を制してしまう勝負強さは侮れないところ。韓国に対する相性の良さも追い風か。

歴代最強の呼び声もあるオーストラリアが立ちはだかる。

 上り調子なのがオーストラリアだ。スウェーデンでプレーする180cmの長身FWギルは、同国男子代表のケネディ(名古屋)張りの空中戦の強さを誇る。そしてアメリカでの澤のチームメイトであるアタッカーのデ・バンナは、世界でもトップレベルの快足。守備陣も大柄な選手揃いで、機敏さにやや欠けるものの単純なクロスの放り込みではまず競り勝てない。ベテラン、中堅、若手の世代バランスもよく、歴代最強チームとの呼び声が高い。

 高さ、速さ、強さという日本選手が最も苦手とする要素を備えていることもあり、なでしこジャパンの佐々木監督が参加国中最も警戒していたのが、このオーストラリアであることをつけ加えておく。

【次ページ】 監督交代の韓国は選手のモチベーション低下が目立つ。

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