圧倒的な知名度と確かな実力を兼ね備えた先導者によって、全体の力が底上げされる。

　先導者とはもちろん、早稲田大からドラフト1位で日本ハムに入団した斎藤佑樹である。彼と同期入団の大学生、いわゆる「斎藤世代」を筆頭に、高卒、社会人出身も含め、斎藤の存在に触発されたルーキーたちは、今年、ハイレベルなパフォーマンスでファンを魅了した。

　豊作。

　2010年のルーキーを総括すればこのひと言に尽きるが、特に、ドラフト1位はその評価を裏切らなかった。彼らに「○と×」をつけるとすれば、ほとんどの選手が「○」にふさわしい活躍を見せたのだ。

「○」が9人「×」が3人、好成績のドラ1たち。

　はじめに、2010年のドラフト1位選手の評価を紹介するとこうなる。

「○」（9名）
ソフトバンク　山下斐紹（習志野/野手）……試合82　本塁打4　打点21　打率.207　※二軍成績
日本ハム　   斎藤佑樹（早稲田大/投手）……試合19　6勝6敗　防御率2.69
オリックス　   駿太（前橋商/野手）……試合30　本塁打0　打点1　打率.100
楽天　          塩見貴洋（八戸大/投手）……試合24　9勝9敗　防御率2.85
ロッテ　        伊志嶺翔大（東海大/野手）……試合126　本塁打2　打点21　打率.261
ヤクルト　    山田哲人（履正社/野手）……試合114　本塁打5　打点39　打率.259　※二軍成績
巨人　         澤村拓一（中央大/投手）……試合29　11勝11敗　防御率2.03
阪神　         榎田大樹（東京ガス/投手）……試合62　3勝3敗　セーブ1　防御率2.27
広島　         福井優也（早稲田大/投手）……試合27　8勝10敗　防御率4.12

「×」（3名）
西武　大石達也（早稲田大/投手）……試合15　6勝4敗　防御率2.25　※二軍成績
中日　大野雄大（佛教大/投手）……試合1　0勝1敗　防御率13.50
横浜　須田幸太（ＪFE東日本/投手）……試合17　2勝6敗　防御率5.29

　一覧を見ても理解できるように、「○」のなかでも、やはり大卒選手のレベルの高さは圧巻だった。

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