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<なでしこ独占インタビュー> 宮間あや 「浮かれてる場合じゃないですから」 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byMami Yamada

posted2011/08/16 06:00

<なでしこ独占インタビュー> 宮間あや 「浮かれてる場合じゃないですから」<Number Web> photograph by Mami Yamada

ワンバックに喫した勝ち越しヘッドも想定内だった!?

 1-1で突入した延長前半に、ワンバックに喫した勝ち越しヘッドも想定内である。宮間の表情がほころび、すぐにまた引き締まる。

「あの場面もワンバック選手を抑えにいってるんですけど、クロスもドンピシャでしたし、『あれはある』というのが自分たちの頭にはあって(笑)。大事なのはそのあと。それまでは、やられるたびに衝撃を受けていたんです。『わっ、すごい、これはかなわないかも』とか。でも、試合を重ねるごとに『それもあるでしょ』という感じになってきた。だから、リードされても私たちのモチベーションはまったく下がっていなかったと思う」

 電光掲示板が記す残り時間は、確実に試合終了へ近づいていく。それでも、焦燥感が判断を鈍らせることはない。落胆を胸の奥底へ押し込む必要もない。宮間は冷静なのだ。

「小さな幸運を引き寄せる力を、今回の私たちは持っていたのかな」

 延長後半12分の左CKをまえに、相手GKが左足を傷めた。治療が行なわれる。

 ほとんどの選手が水分を求めたインターバルに、宮間は澤穂希と阪口夢穂のもとへ駆け寄った。CKはここまで、ショートコーナーやボックス外の選手にシュートを打たせるパターンを使っていた。意見をすり合わせるまでもなく、3人の狙いは一致する。

女子W杯初戦のニュージーランド戦、宮間は直接FKから勝ち越しゴールを決め、日本を幸先良いスタートに導いた

「2人とも絶対にニアはいけるって。あそこは澤さんゾーンと言うか、ホントにうまく合わせてくれました。でも、なぜCKになったかと言えば、その前に決定的なチャンスを作ったから。自分がボールを持ったときに澤さんがうまく顔を出してくれて、澤さんのスルーパスに合わせて近賀選手が飛び出した。得点になってもおかしくない場面です。自分たちでつかんだCKなわけで、そうやって考えると、3人で話す時間があったのも偶然ではなく、むしろ必然かなって。そういう小さな幸運を引き寄せる力を、今回の私たちは持っていたのかなと思うんです。それって……」

 ここから先は、宮間も答えを持てていない。

「アメリカやドイツを内容でも上回れるようになりたい」――そう話す宮間は、ピッチ外の“フィーバー”への危機感を隠そうともしなかった。その視線の先にあるもの、そして今、彼女を悩ますものとは――。
つづきは、雑誌「Number」784号、もしくはNumberモバイルでお読みください。
<完全保存版>女子ワールドカップ優勝記念なでしこ激闘録。
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