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大阪と愛知の代表なのに初出場!?
東大阪大柏原vs.至学館の激戦譜。
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2011/08/09 12:10
上宮高校時代は元木大介(元巨人)や黒田博樹(ドジャース)を育てたことでも有名な東大阪大柏原の田中秀昌監督(54歳)
「それでも、大阪は勝たなイカンのですよ!」
「同じ境遇のチームだという印象は持っていましたが、東大阪大柏原打線は力強かった。県大会と同様に継投で抑えたかったのですが、相手が上だった」
麻王監督はその差を痛感したという。
田中監督はこの勝利を噛みしめていた。
「勝ててほっとしました。やっぱり大阪代表は勝たないと。大阪大会の日程は厳しいから過酷やってよく言われますけど、それでも、大阪は勝たなイカンのですよ! 甲子園通算優勝回数が1位ですから、初出場校の監督が生意気ですけど、全国の頂点をとるという意識はチームにある」
17年間、コーチ・監督として指揮した上宮高を離れ、東大阪大柏原にやってきたのは2003年のことだ。田中監督の、大阪の高校野球に対するプライドは非常に強い。彼の口から出る大阪代表として覚悟を決めた言葉は、聞く者に強烈なイメージを残す。
「勝負に対する執着心、泥臭さ。負けず嫌いなんが大阪。大阪のチームは負けたらアカン意識でやらんとね」
ひとまず、激戦区の初出場校同士の対決を制した東大阪大柏原。
次戦は、広島商時代に主将として選手権制覇の実績を誇る、迫田穆成(よしあき)監督が率いる如水館である。
“初出場校”らしからぬ指揮官は、自身が目指す先を行く名将を相手に、どんな戦いを見せるのか。
大阪vs.広島
注目しないわけにはいかない。