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西岡剛「今はまだ突っ走ってもいい」
text by
橋本清Kiyoshi Hashimoto
photograph byHideki Sugiyama
posted2008/04/17 17:12
──目立ちたがり屋ってことなん?
「見てもらいたいとか、そんなんはないですね。トークショーとかするのは、野球を応援しに来てくれる人に恩返ししたいからなんです。テレビに出るのは、たとえば芸人さんがどういう考えを持って仕事してるか勉強したいから。今まで気づかなかったことに気づきます」
──それで得たことは、どこに還元される?野球選手としてのツヨか、いろんなことやりたいツヨなのか。
「基本は野球です。一歩外れて違う仕事してみたら、プロ野球って世界はやっぱり好きなことを仕事にできてるんで、何を贅沢言ってんのかなという気持ちになりますね。僕らの給料どこから発生してるのかなと考えると、やっぱりファンが球場に来てくれるからなんです。僕らファンからお金もらって野球やってるんやから、手を抜いたらダメだなと今年の契約終わってから気づきました」
──それまではどう思ってたん?
「まあぼんやり、球団が払ってくれてるんやろと考えてました」
──気づいたきっかけは?
「今までは早く給料上げたい、1億円もらいたいばっかり。でもプロ野球生活5年が過ぎて自分に余裕ができて、今はお金じゃなくて野球できる喜びがある。だからですかね」
──生きにくくないか? 年齢なりに素直にしてれば楽に過ごせるやろ。野球で結果残すことでぜんぶクリアされるもんかな。
「うーん、僕は先輩と仲良くしてもらうことが多いんです。今はまだ若いので、多少やんちゃなことしても『かわいいな』ってしか思われない。先輩に甘えてる立場なんです。だけど、僕が中堅になったときのことを考えると、そろそろ独り立ちしてやっていかないといけない」
(続きは Number701号 で)