新天地でのシーズンをW杯につなげられるか？

　'09－'10シーズンは新しいクラブで迎える。

「年齢を重ねる毎に求められるものも多くなる。厳しい競争だけど、それがプロの世界。代表のサッカーは、プレーエリアが限定されるフランスのサッカーとは違う。全員で攻めて、全員で守備をすることが求められるから、体力的にも大変。でも、代表のサッカーは好きだし、面白い。組織を大切にしながら、パスサッカーにアクセントをつけたい。パスだけでは崩せないこともあるだろうから。ワールドカップでは、世界の強豪相手に自分がどれだけできるかっていうんじゃなくて、そこでも普通にやりたい。ワールドカップで結果を残したい。どれだけできたということじゃなくて、結果。過程はどうでもいいから」

　高い目標を掲げた松井に「大きく出たね」と声をかける。

「大きくも何も。普通、そこしかないから。（結果を）出せるか出せへんか、出せへんかったら、それだけの選手ってことだから」

　'08－'09シーズンはどん底だった。「早く終われ」と願った。悔しさと不甲斐無さ、様々な負の感情と戦いながら「自信だけは失ったらアカン」と自分を奮い立たせ日々を過ごした。だからこそ、覚悟は決まった。すべてを変えたいという彼の決意は大きな結果を生むのか？　新天地での新しい1年が始まる。