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新人の活躍が目立つ西武から
“新人王”が誕生しにくい理由とは? 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byYukihito Taguchi

posted2011/04/24 08:01

新人の活躍が目立つ西武から“新人王”が誕生しにくい理由とは?<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

開幕2戦目で猛打賞と活躍した西武ドラ3ルーキーの秋山翔吾。俊足と堅守は評価されていたが、開幕前から打撃の強化にも積極的に取り組み、きっちりと結果を出している

4~5年先を見据えた西武の新人獲得法。

 別の視点から見れば、新人王を獲得するのは大学、社会人出身の“即戦力”が多い。西武スカウト陣はそういう選手ばかりを上位で獲るのではなく、4~5年先を見て高校生、大学生、社会人をバランスよく獲得する。

 エースと主軸は高校卒、1、2番のチャンスメーカーとリリーフ投手は大学、社会人出身、くらいのポジション分けをし、そこに高校卒と即戦力組をバランスよく入れていくというやり方である。

 これが成功しているから良いイメージがあるのだが、失敗すれば13年連続でBクラスを低迷する広島の二の舞を演じることにもなる。まさに崖っぷちの上を歩く際どさで、西武は上位の成績をキープしていると言えるのである。

 今年の新人王予想を聞かれて、私は牧田、秋山、浅村、菊池の名前を上位にもってくるが、西武の戦略を見ていると今年も新人王は西武から出ないかな、と思えてくる。新人王は西武フロント陣には、それほど重要ではないタイトルなのだろう。

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秋山翔吾
牧田和久
大石達也
浅村栄斗
菊池雄星
埼玉西武ライオンズ

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