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最下位まっしぐらのレッドソックス。
早くも崖っぷちの松坂大輔の処遇は?
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byGetty Images
posted2011/04/17 08:00
4月11日、レイズ相手にホームで今季2回目の登板となった松坂だったが……結局2回で大量7失点となった。2回6失点時に捕手のジャロッド・サルタラマッキアが駆け寄ったシーン
今年のメジャーリーグは、開幕してから驚かされることばかりだ。4月中旬までの「サプライズ」を並べてみると……。
・オリオールズが地区トップだなんて!
・インディアンズが地区トップだなんて!
・マリナーズでいちばんいい投手がフェリックス(ヘルナンデス)じゃなくって、マイケル・ピネーダだなんて!(ルーキーだが身長は2メートル、体重は100キロを超える。ものすごい素質の持ち主だが、安定した先発を継続できるかは未知数。しかし将来が楽しみ)
そしてなんといっても驚きなのが――優勝候補のレッドソックスが10試合終了時点で2勝8敗、地区最下位に低迷してしまったことだ。
優勝候補のつまずきの原因はどこにあるのか?
オフにビッグな補強をしたがために(一塁手のエイドリアン・ゴンザレスと左翼手のカール・クロフォード)、「こりゃどうやっても地区優勝は堅いな。フフフ」とファンとしては思っていただけに、開幕からのつまずきがショックなのも分かる。
しかしプロの世界は「平均」を競うもの。
陣容は充実しているだけにこのまま沈むわけがないが、期待との落差が激しいだけに、「監督さんよ、なんとかしちゃくれないか」と思うのも無理はない。そこで問題点をあげていくと……。
【問題点1 先発投手陣の乱調】
メジャーリーグでは、ひとつの目安として先発投手が6回までを3点以内に抑えれば、「クオリティ・スタート」として評価される(エースだったら7回を2点以内には抑えて欲しいですが)。
10試合終了時点で、レッドソックスでこの責任を果たした投手は、レスター、ベケット、バックホルツがそれぞれ1回ずつで、しかも勝利につながったのはベケットの1勝のみ。先発がゲームを作れず、そのままマウンドを降りるケースが目立つのだ。
特にラッキーと松坂のふたりは、防御率が10点を超えており、試合序盤に降板し、ブルペンに余分な負担をかけてしまっている。
シーズン序盤にリリーフ陣に負担がかかると、中盤からの追い上げも苦しくなりかねない。レッドソックス首脳陣にとっては、ふたりの先発機会を不安な面持ちで見守ることになる。