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五輪本番までに、新星は現れるだろうか。 

text by

藤山健二

藤山健二Kenji Fujiyama

PROFILE

posted2007/12/28 00:00

 2007年も終わると、いよいよ北京五輪イヤーである。真夏の北京でどんなドラマが待っているのか今から楽しみだが、その前にまず'07年の総括をしてみたい。特徴を一言で言えば「ベテランが頑張った年」ということになるだろう。ほとんどの競技で世界選手権が行われ、陸上や男子柔道など期待外れの種目もあったものの、全体的に見れば日本勢は順当にメダルを獲得した。ただ、メダリストの顔ぶれがほとんど'04年のアテネ五輪と変わっていないのが、ちょっと気がかりだ。

 '07年活躍した選手として真っ先に思い浮かぶのは、柔道の谷亮子、マラソンの土佐礼子、レスリングの吉田沙保里、そして競泳の北島康介だろう。谷は9月の世界選手権(リオデジャネイロ)女子48kg級決勝でキューバのヤネト・ベルモイを破り、7度目の世界一に輝いた。アテネ五輪後に出産を経験し、練習不足は否めなかったが、経験と底力は周囲の予想をはるかに超えていた。「(旧姓の)田村で金」から「谷でも金」、そして「ママでも金」へ。YAWARAちゃんの準備は万全だ。土佐も9月に大阪で行われた世界選手権の女子マラソンで銅メダルを獲得。早々と狭き門の北京切符を手にした。39km手前で一度は5位に後退しながら驚異的な追い上げで3位に食い込んだのは見事で、北京でも粘り強い走りを見せてくれるに違いない。女子レスリング55kg級の吉田も9月の世界選手権(アゼルバイジャン)で圧倒的な強さを見せ、5連覇を達成した。大会前には同じ日本代表の伊調千春・馨姉妹、浜口京子とともに上半身裸の写真をポスターで披露するなど、マットの外でも話題を呼んだ。アテネ五輪後に不調が続いていた北島も、メルボルンでの世界選手権で劇的復活。周囲の心配を払拭した。

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