SCORE CARDBACK NUMBER
フィリーズを牽引する
193cmの長身左腕。
text by
出村義和Yoshikazu Demura
photograph byYukihito Taguchi
posted2007/08/09 00:00
今シーズンは40歳代の超ベテランの活躍が目立つ一方で、将来のメジャーを背負うことを期待される若手の台頭も目を引く。その傾向は先発投手に特に顕著で、先ごろ開催されたオールスターゲームの先発陣からは常連が姿を消し、40歳のジョン・スモルツ(故障辞退)以外、全員が20歳代だった。しかも初出場は11人中6人。世代交代の波は確実に訪れているとみていいだろう。
その代表格のひとりが、23歳のコール・ハメルズ(フィリーズ)だ。
「昨年は1年目なのにビッグゲームで投げさせてもらえて、実にいい経験になった。それが結果につながっていると思う」と、メリハリの利いた口調でハメルズはいう。すでに昨年の勝ち星を2つ上回る11勝(7月23日現在)をマークし、早くもエースの風格を漂わせている。球団はこの逸材に、殿堂入りの300勝左腕、スティーブ・カールトン以来25年ぶりとなる20勝投手への期待を寄せる。カールトンは高速スライダーで打者を沈黙させたが、ハメルズの場合はサークル・チェンジアップで三振の山を築く。129奪三振は現在ナ・リーグ2位である。