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「熾烈な興行合戦」が続く
“異常事態”を打開せよ。
~プロレス界の共存共栄のために~ 

text by

門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

PROFILE

photograph byEssei Hara

posted2011/03/23 06:00

プロレスの聖地・後楽園ホールに詰めかけるファンも、昼夜連続興行は歓迎しないはずだ

プロレスの聖地・後楽園ホールに詰めかけるファンも、昼夜連続興行は歓迎しないはずだ

 週末の度に興行が重なる。せめて都内の試合日程だけでも、トップ同士による調整の話し合いができないものだろうか。このままの状況が続けば、いずれ共倒れを招く――。

 3月5日の土曜が王者・杉浦貴vs.挑戦者・ジャイアント・バーナードのGHCヘビー級決戦をメーンにしたノア・有明コロシアム。6日の日曜は、全日本の新シリーズ開幕戦が後楽園ホール昼、新日本の旗揚げ記念興行が同じ後楽園ホールの夜。さらに同日午後3時、両国国技館でゼロワン創立10周年記念興行。これにインディー系のユニオンプロレスとDDTが時間をずらして新木場でそれぞれ興行を打つという異常な事態である。

 確かに一日3試合の観戦は物理的には可能だが、これではお客さんの財布がパンクしてしまう。「都内で熾烈な興行合戦」と、活字メディアの威勢のよさそうな見出しが躍るだけだ。

「興行日程の調整」について年一回の会議を。

 実は、1月から首都圏内の興行は好調が続いている。1・10の後楽園、藤波辰爾と長州力がシングル対決した「レジェンド・ザ・プロレスリング」は徹夜組が出たほどの盛況ぶり。1・24のJCBホール、GAORA開局20周年記念「スーパーファイト2011」は3200人の超満員、1・22、23と、2日間に渡って新日本とメキシコCMLLが合体した特別興行、2・11の佐々木健介デビュー25周年記念興行(ともに後楽園)も、満員札止めになった。目的とテーマ、企画がしっかりしていれば、まだお客さんを呼べることが実証されたのだ。プロレスの潜在的集客力は、捨てたものではない。

 しかし、毎年ゴールデン・ウイークが近づくにつれて始まる、度重なる週末の興行のバッティングは、ようやく上昇ムードに乗ってきた人気に水を差しかねない。興行合戦の繰り返しは、経営体力を落とす。

 各団体のトップは'09年6月、三沢光晴事故死の後の話し合いを忘れてしまったのだろうか。新日本、全日本、ノア、複数の団体が統一コミッション問題を含め、ライセンス制度などについて議論したはずだ。あれ以降、話の進展はない。営業の責任者だけでも、プロレス大賞選考会のような形で同じテーブルにつき、「興行日程の調整」について年一回の会議を開いてほしい。興行合戦からスポイルされた団体の姿は見たくない。

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