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あの名選手と「ウリふたつ」。
駿太は本家を超えるか。
~岡田監督がベタ褒めする理由~ 

text by

永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2011/03/15 06:00

あの名選手と「ウリふたつ」。駿太は本家を超えるか。~岡田監督がベタ褒めする理由~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

「いい素材やないか。意地でも一人前のプレーヤーにさせたる」

 オリックスの岡田彰布監督がベタ褒めするのはルーキー・駿太。監督にここまで言わしめたのにはいくつか理由がある。

 昨年のドラフト会議で岡田監督がクジを外すこと3回。「仕方なく」1位指名したのが「上州のイチロー」と言われ、走攻守三拍子揃った後藤駿太だった。

 岡田監督は当初、練習試合の様子を見て二軍でじっくりと鍛えようとしたのだが、一軍入りを即決。オープン戦も帯同させると考えを変えたのだ。

「あれだけの足と広い守備範囲を考えれば、落とす理由はあらへん」

 ドラフト会議の時に見せた渋い顔など忘れたかのように、駿太の話題になると目を細める始末だ。また監督が目をつけた理由はそれだけではない。

「身長180cm、体重75kg、右投げ左打ち」。駿太のサイズはイチローがオリックスに入団した時の体型とほぼ同じである。選手時代の晩年をイチローと同球団で過ごした岡田監督とすれば「ウリふたつやないか」と思ったのも納得がいく。

漫才のDVDを見て関西人の笑いのセンスを勉強。

 岡田監督といえば選手の育成に関しても定評がある。阪神時代に発掘したバルディリスをオリックスに移籍させ3割打者に、さらに昨年はT-岡田を本塁打王にまで育て上げた。「高卒ルーキーなのに大したものや」と見初めた駿太を使い続けることで大きく育てたい、という監督の思惑も透けて見える。

 当初は「関西弁は怖い」と漏らしていた群馬県出身の駿太が、最近の趣味は漫才のDVDを見て、関西人の笑いのセンスを学ぼうとしているという。これを聞いてオリックス入団時のイチローが趣味は習字と金魚鑑賞と言い「おやっ、と思わせたかった」と語っていたことを思い出した。駿太の趣味はイチローと異なり、実益を兼ねたもの。その心意気は先輩から可愛がられる一因になるだろう。

 本人はプロ生活について「何がなんだか分からないくらい出来すぎで怖い」と謙遜するが、最大の武器である足をアピールすることは忘れていない。昨年のロッテのスタートダッシュを演出した荻野貴司のように、オリックスは駿太の足に開幕ダッシュとイチローブームの再来を期待している。さて、外れの外れの外れ1位は思わぬ掘り出し物になるか。

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