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高校中退した17歳がプロ野球で圧倒「球が速すぎた」あのピッチャーが2位…松坂大輔でも島袋洋奨でもない「センバツ史上最強投手」は誰? 

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太田俊明

太田俊明Toshiaki Ota

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photograph byHideki Sugiyama

posted2024/04/01 11:00

高校中退した17歳がプロ野球で圧倒「球が速すぎた」あのピッチャーが2位…松坂大輔でも島袋洋奨でもない「センバツ史上最強投手」は誰?<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

センバツ甲子園「史上最強投手」は誰か?(写真は今春センバツの優勝投手、健大高崎の佐藤龍月)

8位は奥川恭伸、6位「平成の怪物」

8位 奥川恭伸(星稜/石川) 25ポイント
各項目の結果:奪三振率10.06(5位)、被安打率6.09(7位)、防御率1.32(10位)、WHIP1.00(9位)

 佐々木朗希(大船渡-ロッテ)の同期として、2018、19年のセンバツに出場した。奪三振率が10を越えるのは、センバツ史上わずか5人しかいない(本企画の条件内)。特に3年時の強豪・履正社戦の17奪三振は見事だった。150キロを超える速球とブレーキ鋭いカーブにコーナーをつく制球力。高校生の中にプロ野球のエース級の投手が混じっているかのようだった。現在、ヤクルトで故障に苦しんでいるが、復活を待ちたい。

7位 今村猛(清峰/長崎) 27ポイント
各項目の結果:奪三振率9.61(6位)、被安打率6.55(10位)、防御率0.20(2位)、WHIP1.07(11位)

 2009年センバツで、菊池雄星擁する花巻東を決勝戦で破り、長崎県勢として春夏通じて初の甲子園制覇を達成した。エースとして全5試合に先発。初戦の日本文理、2戦目の福知山成美、準々決勝の箕島戦と、3試合連続で10奪三振以上を記録した。大会を通じて、自責点はわずか1。決勝の花巻東戦でも、菊池雄星との投手戦を1対0で制するなど、抜群の安定感を見せた。

6位 松坂大輔(横浜/神奈川) 29ポイント
各項目の結果:奪三振率8.60(12位)、被安打率4.40(3位)、防御率0.80(8位)、WHIP0.778(4位)

 1998年に春夏連覇を達成した「平成の怪物」。春夏通じて、甲子園で初めて150キロ超の球速を記録した投手である。快速球と高速スライダーのコンビネーションで打者を圧倒したイメージが強いが、98年センバツで奪三振が10個を越えた試合は第2戦の東福岡戦(13奪三振)のみ。5試合45回を一人で投げ切って優勝したことからも、ペース配分を考えた投球だったことがうかがえる。初戦の報徳学園、準決勝のPL学園と、優勝候補の2校に4失点したため防御率を落としたが、1試合あたり4.4本しかヒットを許さなかった被安打率(3位)は圧巻で、これがWHIP4位にも貢献した。

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