テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER

大谷翔平に“結婚観”を聞いたら「僕の耳に届いてますからね」とイジられた日…「ツンデレも大谷らしさだと」TVに映らない番記者ウラ話 

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柳原直之(スポーツニッポン)

柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara

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posted2024/03/23 11:03

大谷翔平に“結婚観”を聞いたら「僕の耳に届いてますからね」とイジられた日…「ツンデレも大谷らしさだと」TVに映らない番記者ウラ話<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

ベッツを迎え入れる大谷翔平。常勝軍団ドジャースではどんな“素顔”を見せてくれるのか

「例えばもう一回ケガをして」は、逆に“もうケガはできない”という強い覚悟と責任感。若手でもベテランでもない26歳になった、成長のひとつだと感じた。野球以外の質問では、恒例の結婚観について「柳原さんに心配されなくても大丈夫なんで。遊んでばっかりいないで。ちゃんと僕の耳にも届いていますからね」とカウンターパンチを食らう始末だった。

 最後にオンラインインタビューで難しいのが「絵作り」。いわゆる紙面のメイン写真だ。インタビュー中の画面のスクリーンショットでは工夫が足りないと考え「ボールを持ってこうやって(ポーズを決めて)くれますか?」とお願いすると、大谷は「(ボールは)ないです。(ここは)家なんで僕」と拒否。だが、直後に「あー!」と何やら叫びながら立ちあがって画面の外に消え、数秒後にはボールを持って戻ってきて、しっかりポーズも決めてくれた。

「ツンデレ」な態度を取るのも大谷らしさ

 野球に全てをそそぐストイックな男として知られるが、普段は少しシャイでユーモアあふれる今時の26歳(当時)。記者をいじって「ツンデレ」な態度を取るのも大谷らしさであり、野球ファン以外にもファンを増やしている要因のひとつなのではないだろうか。

 大谷の肉声を聞くのは9月27日のレギュラーシーズン最終戦以来だった。大谷はインタビュー開始前から「なんでいつも代表(インタビュー)なんですか?」「(画面と筆者の顔が)近い、近い!」と大笑いしながらソファに座った。この柔らかい表情はオフならではだろう。「なんでって、そりゃ担当なので……」といきなりたじろいでしまったが、いつものことといえばいつものことだった。

 大谷は筆者に限らず担当記者をよくいじる。本人に直接尋ねたことはないが、よく人を見ているのだろう。いわゆる「大谷担当」のメディアは今も昔も大谷より全員年上。「この人はいじっていいかどうか」。そこまで深く考えているか定かではないが、直感的に、それはいきなりやってくるのだ。

「記者いじり」と爆笑…コロナ禍でも触れられた素顔

 コロナ禍で無観客開催の2020年は当然、メディアの取材規制も厳しくなった。感染拡大が激しくなり、キャンプ取材中だった私も途中帰国を余儀なくされた。その後の取材は全てオンラインになった。クラブハウスの雰囲気などを直に感じられないもどかしさはあったが、シーズン中に私が最後の質問を任された時に大谷は「ちゃんと締められるんですか?」と爆笑。画面越しでも「記者いじり」は健在だった。

<大谷の素顔に触れた第1回第2回からつづく>

#4に続く
大谷翔平21歳「そんな人は信用できませんよ」長年追う番記者が“唯一本気で怒られた日”の自戒…「節度を持った取材、できているか?」―2024上半期 BEST5

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