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119億円怪物MFが「ドーピング疑惑で4年出場停止」ポグバ31歳の末路は“消えた天才”なのか…ロシアW杯優勝→ユーベ復帰で急転落のナゼ

posted2024/03/17 11:00

 
119億円怪物MFが「ドーピング疑惑で4年出場停止」ポグバ31歳の末路は“消えた天才”なのか…ロシアW杯優勝→ユーベ復帰で急転落のナゼ<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama/JMPA

ロシアW杯でのポール・ポグバ。強度と技術を兼備した最新鋭フットボーラーの急先鋒だったのだが……。

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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Takuya Sugiyama/JMPA

現在進行形の「消えた天才」となってしまうのか……。ロシアW杯フランス代表優勝メンバーのポール・ポグバ(31)がキャリアの窮地に立たされている。ことあるごとに斬新なヘアスタイルで話題を呼ぶとともに、フィジカルとテクニックを兼備して現代サッカーのMF像を先どったはずだったワールドクラスのドーピング疑惑と長期出場停止処分の背景とは? イタリア在住ライターからの生々しいレポート。<全2回/第2回も読む>

「キャリアは終わった。彼の選手生命そのものも」

「ユベントスの選手として、ポグバのキャリアは終わった。おそらくは彼の選手生命そのものも」

 2月29日、ドーピング疑惑の渦中にあるユベントスMFポール・ポグバへ、4年間の公式戦出場停止処分が下った。イタリア反ドーピング機構の裁定を報じた現地紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』の見出しは、かつてセリエA、そして世界のフットボールを席巻した寵児へ冷酷な見立てを突きつけている。

 ポグバの取り巻きや弁護士はローザンヌ(スイス)にあるスポーツ調停裁判所へ処分の撤回もしくは軽減を求めて上訴する構えだが、手続きに要する時間を考慮すると今季中に再びポグバのプレーを見られる可能性はゼロに近い。

 6年前の夏には黄金に輝くワールドカップトロフィーを手にし、クラブレベルでも名門の主力として活躍。バロンドールも夢ではなかったはずのスーパーMFは、北都トリノにひっそりと埋もれている。

報告義務を怠ったことでプロとしての常識も…

 ポグバからステロイド成分の一つであるテストステロンの異常値が検出されたのは、昨年8月20日だった。ウディネーゼとの今季セリエA開幕戦で、試合後のドーピング検査に引っかかった。

 開幕前の北米ツアー中に摂取したと見られる米国産サプリメントが原因と見られ、これが副作用への懸念からイタリアで販売禁止となっている製品だった。選手にはクラブのメディカルスタッフに対し、あらゆる経口物に関する報告義務が発生するが、ポグバはそれも怠っていたことでプロアスリートとしての常識も問われた。

【次ページ】 かつてクリロナも住んだ“トリノ御殿”に住んでいるが

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