「『試合に出たい』という気持ちはひしひしと伝わってきました。懐にすっと入ってくる人懐っこい人間性の良さも感じたかな。その場で『行きます』と気持ちのいい返事をくれて、仙台側も背番号6を提示したんです。向上心あふれる選手が、どのように成長していくのか、楽しみでした」

仙台でも使わない手はない

　'18年2月25日。J1リーグ開幕の柏レイソル戦から先発に抜擢されると、文句なしの一発回答。後に日本代表の常連となる伊東純也らをシャットアウトし、得意のヘディングでJ初ゴールまでマークした。

　渡邉は同年1月にU－21日本代表として出場していたAFC U－23選手権の活躍ぶりを見て、開幕前から3バックの一角として起用することをほとんど決めていた。

U-20の代表としてのちにA代表で一緒になる久保建英らとプレー　©AFLO

「森保（一）監督のチームでも3バックの左で起用され、ドリブルでうまく持ち出し、局面を変えていましたからね。おまけに点まで取っていましたし。キャンプはほとんど不在でしたが、もう当確でしたよ。ここまでやれるなら、仙台でも使わない手はないなと。あの大会を見ていなければ、考えを巡らせていたかもしれないです」

　板倉は下積み生活のうっぷんを晴らすようなパフォーマンスを続けていく。プロ3年目までのJ1リーグ戦出場数は7試合のみ。川崎F時代の1年目は紅白戦にもほとんど入れなかった。毎日のように『止めて・蹴る』、『1対1』などの個人練習に精を出すしかなかったが、熱量を持って前向きに取り組んでいたという。

チームメイトが語る「寮の風呂場で反省会も」

　川崎Fに同時期に入団し、板倉より1年早く仙台に加入した中野嘉大（現横浜FC）は、懐かしそうに振り返る。

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