「自分が芽吹さんと同じ立場になり、3冠を目指したチームを超えられるようなチームを作れるかというと、自信をもって首を縦に振ることはできないです。でも、超えるチームを作れるように芽吹さんの傍でいろいろ学んで準備していきたい」

「自分がやるんだ」という意識が大事

　篠原は鈴木前主将の傍で上に立つ者の心得や言動を学び、満を持しての主将就任になった。ただ、チームに目をやると最強の4年生たちが今春に卒業し、かなり戦力が削がれることになる。そういう中で篠原は、この箱根での敗戦を経て、どのようにチームを引っ張り、どんなチーム作りをしていくのか。

ゴールした庭瀬俊輝を温かな表情で出迎えた副キャプテンの金子伊吹（左）と鈴木主将　©Nanae Suzuki

「強い先輩がいなくなるので、これからは個々の選手が『自分がやるんだ』という意識でやっていくことが大事。トラックのレースをひとつひとつ大切にして、目の前の駅伝に集中して戦っていきたいです。その結果、3冠に繋がればいいかなと思っています」

　奇をてらう必要はなく、地道に練習に取り組み、自信を持ってスタートラインに立つ。篠原がやってきたことをチームとして実践していけば、“2023年度の駒澤大”を超えるチーム作りも決して不可能ではないだろう。