藤田新監督になってからの変化

　ちなみに伊藤が、Sチームに入って練習することはほとんどない。練習に参加するのに見合ったタイムがなく、練習のレベルも実業団クラスで相当に高い。無理して入って怪我すると意味がないので、Aチームで土台作りをして、タイムを出した後でという考えだ。

　Sチームは、大八木総監督が指導しているが、Aチームは藤田敦史監督が指導している。藤田監督は今シーズン、コーチから監督に昇格し、指揮を執っているが、大八木監督時代と比較して何か大きな変化はあったのだろうか。

©Yuki Suenaga

「そんなに変わらないですね。大八木監督が総監督になるって聞いた時、Sチームの人だけ見るのかなって思ったんですけど、シーズンが始まるとこれまでと変わらず、いろんな選手を指導していました。藤田監督は、コーチ時代から選手に寄り添い、きめ細かい指導をされています。ひとりひとりの体調とかを聞いて、ひとりひとりにアドバイスをするんです。見て、聞いて話をすることで選手の状態を把握し、駅伝メンバーの決定や区間配置に活かしていますし、選手を気持ちよく走らせて、力を発揮させるために努力を惜しまないですね」

評価が高いのは嬉しいですけど…

　箱根駅伝では2連覇、そして史上初の2年連続3冠を目指すことになる。青学大、中央大などライバル校は駒澤大への警戒を強めているが、世間的には“駒澤大一強”という見方が圧倒的だ。

「周囲の評価が高いのは嬉しいですけど、僕は1月2日、3日に自分たちがいかに最高の状態で臨めるかというのが一番重要だと思っています。余裕を持ち過ぎてしまうと足元をすくわれてしまいますが、今はみんないい緊張状態で箱根に向かっています。最後まで気を引き締めて箱根に臨めれば僕は3冠達成が出来ると思っています」

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