世界各国のメディアから数えきれないほどの依頼が…

　中盤のボディショットで終わる可能性はもちろん、ファン・カルロス・パヤノ戦（井上の1ラウンドKO勝ち）で放ったようなワンツーを井上がどこかで突き立てる場面もなんとなく想像できる。タパレスがもし奇襲を仕掛けたとしても、冒頭のコメントの通り井上陣営はあらゆる事態を想定しているようだから、よほどでない限り混乱や波乱はないはず。

圧倒的有利が伝えられても、井上陣営に油断や慢心は一切ない　©Naoki Fukuda

　我々も早い段階で両者の相性やリズムを観察し、フィニッシュのパターンを頭に描きながら写真を撮っていく必要が出てくると思う。ともに相手の打ち終わりを狙って、強く踏み込むこともありそうなので、どんな間合いの時でも常に集中力を保っておきたい。

　写真に関しては、世界各国のボクシングメディア、プロモーションや団体等から既に数えきれないほどの依頼がきていて、その点でも”モンスター”への注目度をあらためて実感しているところだ。規格外と言える井上の活躍によって、以前はありえなかったそんな状況が、もはや当たり前になりつつある。

フルトンを沈めた右ストレートの決定的瞬間。福田氏の写真は世界中のメディアに掲載された　©Naoki Fukuda

　ボクシングや格闘技の年末興行が恒例となっている日本とは異なり、欧米ではクリスマス後にボクシングのメジャーファイトが開催されるケースが極端に少ない。この年の瀬も同様だから、26日の井上の戦いぶりと試合結果は、なおのこと世界レベルで話題の的となるに違いない。