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大谷翔平とエンゼルス“本当の関係性”「久々にみんなの顔を見て…」「救われてます」メジャー6年間の取材で記者が感じた“深いチーム愛”の話 

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斎藤庸裕

斎藤庸裕Nobuhiro Saito

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photograph byNanae Suzuki

posted2023/11/16 11:02

大谷翔平とエンゼルス“本当の関係性”「久々にみんなの顔を見て…」「救われてます」メジャー6年間の取材で記者が感じた“深いチーム愛”の話<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

ベンチで笑顔を見せる大谷翔平(2023年撮影)

 投打で最も苦しんだ2020年シーズンにも、「申し訳ない」という言葉が並んだ。60試合の短縮シーズンで故障が再発し、打撃でも極度の不振に陥った。

「イラ立ちもありますけど、一番はやっぱり申し訳ないなと。短期決戦でしたしね。通常のシーズンでももちろんそうですけど、短縮シーズンは1試合1試合、重くなってくるので、そのなかの1試合の序盤で失点してしまうというのはきついかなというのはあるので。そこに対しての、期待して使ってもらって応えられなかったというのもありましたけどね」

 メジャーで二刀流に挑戦する大谷の背中を押し、能力を信じ、環境を整えてくれた当時のビリー・エプラーGMも同年に解任となった。

「もちろん感謝はしてますね。感謝よりもやっぱり3年間ポストシーズンも行けなかったですし、行っていれば、今年もそうですけど、まだまだ(GM)やる機会もあったとは思うので、なかなか結果が出なかったので申し訳ないなと思います」

嘘偽りない「エンゼルス愛」

 2023年シーズンも、ポストシーズン進出の夢はついえた。もちろん、大谷一人の力では安定して勝つことはできない。同僚のマイク・トラウトも年を重ね、故障が増えてきた。大谷がエンゼルスに在籍した6年間に監督は3人も代わった。チーム状態が安定しない一方で、二刀流を後押ししてくれた感謝もあるだろう。「なおエ」と揶揄されようが、エンゼルスに愛着があることに嘘偽りはないはずだ。

「みんなにおめでとうと言ってもらってすごいうれしかったですし、久々にみんなの顔を見て、このチームでも優勝したいなという気持ちになりましたね。エンゼルスで今年(2023年)、ワールドシリーズに出て、そこで勝ちたいなと改めて思いましたし、今はそこしか考えてない」

 2023年3月、WBCで世界一を奪回した直後、チーム合流後にエンゼルスの一員として大谷が語った言葉である。

《「盟友マイク・トラウトへの思い」編に続く》

#3に続く
大谷翔平に「俺たちいい打線だな」トラウトしみじみ…エンゼルスの“偉大な兄貴分”から大谷は何を受け取ったのか?「一緒のチームでよかった」

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