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ソフトバンク最強時代は終わったのか? 松田宣浩がズバリ語る“チーム弱体化”の原因「オリックスと差がついた」「なぜスイッチを入れんのかな」 

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田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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photograph byMiki Fukano

posted2023/11/13 11:02

ソフトバンク最強時代は終わったのか? 松田宣浩がズバリ語る“チーム弱体化”の原因「オリックスと差がついた」「なぜスイッチを入れんのかな」<Number Web> photograph by Miki Fukano

今シーズン限りで現役を引退した松田宣浩がロングインタビューに応じた

 ここ3年のパ・リーグはオリックスが3連覇。クライマックスシリーズも同様だ。

 一方、絶対王者に君臨していたソフトバンクの直近3シーズンは4位、2位、3位。昨季はマジック1を灯すところまで行きながら最後の最後で連敗して“歴史的V逸”を喫した。両チームの差は紙一重だった。しかし、今季は15.5ゲームという圧倒的な差をつけられて後塵を拝する結果に。わずか1年という時間で両チームの明暗がくっきりと分かれてしまった。

指摘する「昨シーズンの1敗」

「今、オリックスは常勝チームの基盤を作っています。やっぱり去年の優勝が大きい。僕がいた頃のホークスを見ているようです。僕らも2014年のシーズン最終戦、あの時もオリックス戦でしたが、『勝った方が優勝』という大一番を勝ちきれたのがターニングポイントになりました。さっきも言ったように1度優勝するだけでも大変なこと。それをシーズンの最後の最後に勝ちきって優勝をもぎ取ったという自信やプライドは、威張るとか変な意味じゃなくて、目に見えない力をチームに宿らせるんですよ。そして次も勝つと、その経験値がまた上がる。宿る力のレベルも上がる。逆に1度勝てないだけでも、そのレベルってわずかな期間でガタッと下がってしまうんです」

 松田が言うように2014年は僅差を制して優勝したソフトバンクだったが、翌年以降は一段と凄みを増した。2015年は2位に12ゲーム差の大独走でリーグ優勝と日本一。2017年からはパ・リーグでは唯一となる4年連続日本一を達成してみせた。逆にオリックスはしばらく苦しいシーズンを強いられた。

 昨季は“あと1勝”の差に泣いたソフトバンク。今季も「2位」の順位争いではあったが、最後の2試合で“あと1勝”ができずに3位に終わった。結果的にクライマックスシリーズ(CS)・ファーストステージは敵地のZOZOマリンスタジアムで臨むことになり、最後は壮絶なサヨナラ負けで2023年シーズンを終えることになった。

松田の苦言「なぜスイッチを入れんのかな」

 肝心なところで勝ちきれない。あの隆盛を誇ったソフトバンクは一体どこに行ってしまったのだろうか。

「去年は紙一重でした。だけど、その勝ち負けが今年の15.5ゲーム差を生んだと思います。もし去年、ホークスが優勝していれば、今年のパ・リーグはまた違った結果になっていたんじゃないかな。一方で、15.5ゲームという差は選手が一番よく分かっている。だって16勝0敗と0勝16敗でやっとひっくり返せる差ということですよ。それくらいの数字の差がついた。上には上がいるって認めることも必要です」

 そして松田はソフトバンクナインの戦う姿勢に、不満の色を隠そうとしなかった。

【次ページ】 選手の声「松田さんのようにやりたいけど…」に本音

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