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[再戦直前ドキュメント]ドウデュースとイクイノックスの518日

posted2023/10/26 09:02

 
[再戦直前ドキュメント]ドウデュースとイクイノックスの518日<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

text by

石田敏徳

石田敏徳Toshinori Ishida

PROFILE

photograph by

Yuji Takahashi

2022年5月29日。最後の直線で熾烈な激闘を演じた2頭は、その後一度も交わることなく、各々の階段を登り続けた。そして'23年10月29日。2頭は再び府中の舞台で相見える。運命の一戦を前に、両陣営がダービー後の道程を明かした。

 同じ年に同じ牧場で生まれた2頭の馬がいる。人々の心を震わせ、様々な想像をかきたてる稀有な能力を、天から授かった馬たちだ。彼らは昨春のクラシックで2回激突。レースレコードが記録されたダービーでは熾烈な一騎打ちを演じた。

 クビ差の激闘に競り勝ち、第89代ダービー馬の称号を手にしたドウデュースはその後、挫折を味わい、アクシデントにも見舞われた。しかしその間には“さすがはダービー馬”と周囲を唸らせる走りを披露。金看板の輝きはちっとも色褪せておらず、さらなる飛躍に期待が膨らんでいる。

 一方の雄イクイノックスにとっては今のところ、クビ差で戴冠を逃したダービーがキャリアに刻まれた最後の黒星となっている。引き立て役に甘んじた春に対し、秋以降は主役として連勝街道を驀進。傍目に映るほど順風満帆な歩みだったわけではないが、昨年は“1年の顔”に選ばれ、今年の春には“世界ナンバーワン”の評価も得た。

 そしてこの秋、2頭は再び火花を散らす。かたや、いっそうの進化が窺えるダービー馬、こなた、GI4連勝中の世界ナンバーワン・ホース。春のクラシックで覇を競った同期のライバルが、こんなシチュエーションでダービー以来の再戦を迎えるのだから盛り上がらないはずはない。熱い視線が注がれる大一番を前に、異なる道を歩んできた両雄の軌跡が再び交わるまでの“518日”を辿り直してみたい。

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